保険選びのコツや保険で知っておきたいことなどを
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公的医療保険
公的医療保険は、加入者やその家族など(被扶養者)が、医療の必要な状態になったときに、公的機関などが医療費の一部負担をしてくれるという制度です。日本では、すべての人が公的医療保険に加入することになっており、これを「国民皆保険制度」と呼んでいます。
公的な医療保険は、会社員などが加入する「健康保険」と、自営業者などが加入する「国民健康保険」で保障内容が異なります。この違いによって、不足する保障が異なることになり、民間の生命保険や医療保険商品を選ぶ際には、この違いを考慮して選ぶ必要があるのです。なお、船員保険と共済保険は、健康保険に近い保障内容になっています。
健康保険 | 会社員など |
---|---|
船員保険 | 船員 |
共済組合 | 公務員、教職員 |
国民健康保険 | 自営業者、専業主婦など(上記以外) |
※このほかにも「退職者医療制度」や、中小企業が加入する「協会けんぽ」、大手企業等の社員などが加入する「健康保険組合」などがあります。
健康保険と国民健康保険の違い
健康保険と国民健康保険は、実際どのように保障内容が違うのか、一例を紹介します。比較してみると、高額療養費や出産一時金は同額ですが、健康保険には病気やケガで働けない期間や、出産前後に働けない期間の保障が付帯されている、という違いがあります。
下記以外にも、健康保険と国民健康保険には「移送費用」「訪問看護療養費」「高額介護合算療養費」などの保障があります。
健康保険(協会けんぽ) | 国民健康保険 | |
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加入対象者 | 会社員など | 自営業者、専業主婦など (第3号被扶養者) |
治療費の自己負担 |
義務教育就学前…2割 義務教育就学以降70歳未満…3割 70歳以上…2割(※) |
|
高額療養費 | 1ヵ月の医療費の自己負担額が「80,100円+(10割相当医療費-26万7,000円)×1%」を超えたとき、超過分が請求に基づいて払い戻されます(70歳未満、一般の方。一部例外あり。詳しくは「高額療養費制度とは?」をご覧ください)。 | |
出産育児一時金 | 42万円(諸条件がありますのでご注意ください) | |
傷病手当金 | 被保険者が病気やケガのために働くことができず、連続して3日以上勤めを休んだときに、4日目から、1日につき標準報酬日額の3分の2が支給されます。期間は1年半が限度(事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には支給されません)。 | なし |
出産手当金 | 出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられないとき、産前42日(多胎分娩98日)から産後56日までの期間、欠勤1日につき標準報酬日額の3分の2が支給されます。出産予定日が遅れた場合は、遅れた日数分給付日が増えます。 | なし |
死亡時 | 埋葬費 50,000円(被保険者とその家族以外が埋葬した場合は、50,000円の範囲内で実際に埋葬に要した費用が支給されます) | 葬祭費 30,000円~70,000円(各自治体によって異なりますので確認が必要です) |
※一定以上所得のある方は3割。2014年3月31日以前に70歳になった被保険者等については1割。
健康保険は勤務先によって保障内容が違う
会社員が加入する「健康保険」の中でも、中小企業の会社員が加入する「協会けんぽ」と、大手企業または同業の職種企業によるグループなどで作られている「健康保険組合」とでは、保障内容が異なります。
健康保険組合は、その組合によって独自の保障や各種のサービスが充実している場合があります。例えば、「高額療養費」の自己負担限度額が低く設定されていたり、各種見舞金や手当金が設定されている場合があります。自分が加入している健康保険の種類やサービス内容を、一度確認してみましょう。
民間の医療保険を選ぶときに参考にする
入院や手術に備えた保障内容となっている民間の医療保険は、「公的医療保険だけでは不足する分を補う」という目的で選ぶことが重要になります。自分や家族が加入している公的医療保険の種類や内容を知っておき、効率良く保険を選びましょう。詳しくは「医療保障に関係する社会保障」で解説していますので、参考にしてみてください。
※掲載内容は、2014年12月現在のものです。社会保険は頻繁に法改正や変更がありますので、内容を保証するものではありません。詳しくは各行政機関(日本年金機構・厚生労働省・お住まいの地域の役場窓口など)にお問い合わせください。